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看護実習自殺「ハラスメントなし」岐阜県第三者委報告 遺族「教員の対応不適切、県への不信感増した」 | 岐阜新聞Web

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岐阜県立の看護専門学校2年だった男子学生=当時(19)=が昨年7月、病院での看護実習期間中に自殺した問題で、県の第三者調査委員会は19日、調査報告書を公表した。担当した教員の指導について「必要かつ相当な範囲を超えるハラスメントに該当するものはなかった」とした一方、複数の具体的な指導を示しながら「より望ましい対応があった」と学校に指導方法を改善するよう求めた。

 報告書によると、自殺当日に教員が行った指導7件と、1年時から前日までに行った指導51件について、いずれもハラスメントには該当しないと判断した。ただ、当日の実習中に学生が「帰りたい」「病院から離れたい」などと話したにもかかわらず、教員が気持ちを丁寧に聞き取っていなかったことなどに触れ、「学生の自死リスクを把握すること、学生が本音を語れる存在となれるよう信頼関係を築くことが必要」と再発防止への課題を挙げた。

 さらに「実習の間は『寝れないのが当たり前』という意識が蔓延(まんえん)していることも懸念された」などと看護専門学校特有の学習環境や指導を見直していくべきと指摘。教員に対し「学生一人一人の個別性を前提に、自分が受けてきた時代の看護教育に縛られず、学生との関係性や教育指導の在り方を見つめ直すことが求められる」と提言した。

 自殺の要因については、大学生の自殺対策ガイドラインを参考にした検討で、学業不振や「愛情対象の喪失」「転生への希望」など促進する要因が幾つも重なった結果と結論づけた。

 第三者委は弁護士、精神科医、県立以外の看護専門学校元教員ら5人で構成。遺族の要望を受け、昨年10月から調査を続けてきた。

◆遺族、納得せず

 第三者調査委員会の公表に先立ち、男子学生の遺族は19日、調査結果について委員から説明を受け、コメントを発表した。遺族は「報告の内容を考慮すると、教員の対応が適切であったとは言えません。しかし、第三者委員会が明言していない点には納得がいきません。この学校を選ばなければ、生きていたかもしれないと思います」とコメント。県の対応については「遺族を思いやる姿勢が欠けており、不信感が増しました。今後、第三者委員会に、私たちの疑問をぶつけてみようと思います。解決しないようなら再調査を要望することもあると思います」とした。