岐阜県土岐市は１３日、市総合病院（同市土岐津町土岐口）で２０１６年に患者の女性＝当時（６４）＝が死亡する医療事故があり、女性の遺族に訴訟の和解金として３千万円を支払うことで合意したと発表した。同日、損害賠償に関する議案を開会中の市議会定例会に提出した。
市の説明によると同年６月２日、同院は女性に対し肝臓の一部を採取する肝生検を行ったが、検査後約１０時間後に血圧が急速に低下し、肝臓から出血するなど容態が悪化した。別の高度医療機関に移送したが、女性は同４日に死亡した。
女性の遺族らは１８年４月、検査の過失と救命処置の遅れを主張して市を相手取り訴訟を提起した。市は原告と協議し、裁判所が示した３千万円を支払う和解内容に合意した。
市は現在の指定管理者のＪＡ岐阜厚生連と協議し、急変時の対応を改善する。加藤淳司市長は「ご遺族に対して心よりお悔やみを申し上げる。患者の生命と安全を最優先に考え、最善の医療が提供できる体制を構築する」とコメントした。
