新型コロナウイルスの検査キットの仕入れ費用を水増しして大阪府に申請し、補助金22億円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われた瑞穂市の元市議会議員に、大阪地方裁判所は「市議会議員でありながら公金をだまし取ったことは無視できない」として執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
瑞穂市の元市議会議員で医薬品卸売会社の社長、松野貴志被告(49)は、大阪で新型コロナウイルスの無料検査場を運営する会社の会長らとともに、去年とおととし、抗原検査キットの仕入れ費用を水増しして大阪府に申請し、補助金22億9000万円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われました。
これまでの裁判で松野被告は起訴された内容を認め、検察は、被告が水増しの発覚を防ぐための契約書を作成したなどと主張していました。
20日の判決で、大阪地方裁判所の渡部市郎裁判長は「だまし取った金額は高額で、共犯者とともにそれぞれの役割を実行する組織的かつ巧妙な犯行で悪質だ。市議会議員でありながら公金をだまし取ったことは無視できない」と指摘しました。
一方で「主導的な立場ではなかった」などとして懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。
松野被告は、この事件で逮捕されたことを受けて、ことし2月に市議会議員を辞職しています。